SumoでZoomのログを取り込んでみた~App Catalogの適用~

 2020.09.30  株式会社テリロジー 技術統括部

こんにちは。CnS技術統括部のumeです。

前回、「Sumo LogicでZoomのログを取り込んでみた」という記事を書いてからずいぶん間が空いてしまいましたが、今回は取り込んだログの可視化部分について記載します。

前回の記事(Sumo LogicでZoomのログを取り込んでみた)

取り込んだログの可視化には、App Catalogという素晴らしいツールがあるのでこちらを使用して見ていきます。
App Catalogとは、Sumo Logicの利用者が必要とするクエリーやダッシュボードを、アプリケーションカタログという形でSumo Logic側でテンプレート化したものです。
App Catalogが用意されているアプリケーションのログであれば、Sumo Logicにログを取り込んですぐに可視化が可能になります。

App Catalogの適用

WebUIログイン後、画面左側メニューにある「App Catalog」をクリックして検索ボックスでzoomと入力します。
するとアイコンが1つだけ出てきますので、これをクリックします。

App Catalogの適用 画像1

Add to Libralyをクリックするとポップアップが表示されます。

App Catalogの適用 画像2

App NameとSource Categoryの指定、Dashboardを配置するフォルダを指定する画面が表示されます。
この画面でAdd to Libraryをクリックすると適用完了です。
画面左下に「Zoom App installed successfully」と表示されます。

App Catalogの適用 画像3

デフォルトだとPersonalという個人フォルダの下に配置されます。
App Nameで指定した名前でフォルダが作成され、その中に各Dashboardが格納されるといった感じです。

App Catalogの適用 画像4

これでApp Catalogの適用は完了です。簡単ですね。

Zoom + Sumo Logicソリューションの特徴

ZoomのApp Catalogを使用すると、Dashboardを利用して以下の情報が確認できます。

1) アカウント乗っ取り、ミーティングへの不正なアクセスの検出

利用者の地理的位置情報を取得し、明らかにおかしな場所からのアクセスを検出します。
これによりアカウント乗っ取りや、ミーティングへの不正アクセスの可能性を確認することができます。
管理者権限のアカウントについては、管理作業毎に頻度・時間帯などを常時トラック、普段と異なる振る舞いを検知・通知します。

2) Zoomクライアントのバージョン管理

誰がどのクライアントバージョンを利用しているかを可視化します。
ピンポイントで古いクライアントバージョンの利用者にアップグレードを促すことができます。

3) ZoomのDashboardより柔軟なDashboard

Zoomの管理画面にあるDashboardでは提供されていない、お客様固有のご要望に応じたDashboardを提供可能です。
社内ルールに則った利用がされているかを可視化します。
ルール違反の傾向を把握し、適切にルール順守を促進できます。

続いて、用意されている各Dashboardについて確認していきます。

Zoom App Catalogの各Dashboard

以下、9つのDashboardが用意されています。

  • Zoom Overview
  • Zoom Availablity
  • Zoom User Activity
  • Zoom Guest Activity
  • Zoom Administrator Activity
  • Zoom Meeting Usage
  • Zoom Authentication
  • Zoom Meeting Security
  • Zoom Webinar

各Dashboardの概要について説明します。

Zoom Overview Dashboard

このDashboardでは、主に以下のような情報が確認可能です。

  • Zoomで発生しているトラブルを素早く検出、調査
  • 利用頻度の高いミーティングIDの可視化
  • Zoom利用者の推移と、利用者の活動レベルの可視化

Zoom Overview Dashboard 画像1

Zoom Availablity Dashboard

このDashboardでは、主に以下のような情報が確認可能です。

  • 音声やビデオが不安定、画面共有の品質低下といった問題の早期発見
  • Zoom Roomデバイスにおけるバッテリー低下、接続障害といった問題の早期発見

Zoom Overview Dashboard 画像2

Zoom User Activity Dashboard

このDashboardでは、主に以下のような情報が確認可能です。

  • ユーザがZoomミーティングに参加している状態、およびユーザ設定の変更内容
  • レコーディングタイプ(音声のみ、共有画面とスピーカーなど)の割合
  • レコーディングされたファイルサイズトップ10ユーザとリソース利用状況の把握
  • ミーティング中に共有された内容の割合

Zoom User Activity Dashboard

Zoom Guest Activity Dashboard

このDashboardでは、主に以下のような情報が確認可能です。

  • ゲストユーザのアクティビティを監視、必要リソースを診断
  • ゲストユーザが最も参加したミーティングトピックの識別
  • ゲスト参加者が最も多かったホストを識別

Zoom Guest Activity Dashboard

Zoom Administrator Activity Dashboard

このDashboardでは、主に以下のような情報が確認可能です。

  • Zoom管理者の操作状況の監査
  • 直近のアカウントおよびユーザ設定変更の特定
  • Zoom管理者業務の傾向分析と最適化方法の見極め

Zoom Administrator Activity Dashboard

Zoom Meeting Usage Dashboard

このDashboardでは、主に以下のような情報が確認可能です。

  • 組織で実施されている共同作業の可視化
  • ミーティングの開催、開催時間、時間帯などの振る舞いの傾向把握

Zoom Meeting Usage Dashboard

Zoom Authentication Dashboard

このDashboardでは、主に以下のような情報が確認可能です。

  • ユーザのデバイスタイプとZoomクライアントを識別
  • ユーザが脆弱なクライアントを使ってアクセスしていないかを特定
  • Zoom利用の多い時間帯の特定

Zoom Authentication Dashboard

Zoom Meeting Security Dashboard

このDashboardでは、主に以下のような情報が確認可能です。

  • 頻繁に利用されているミーティングIDやミーティングルームを特定
  • セキュリティのベスト・プラクティスをスキップしたミーティングの特定
    (いわゆる「Zoom Bombing」につながるような使い方への警告)

Zoom Meeting Security Dashboard

Zoom Webinar Dashboard

このDashboardでは、主に以下のような情報が確認可能です。

  • ウェビナーの種別と数、参加者の可視化
  • 参加者の興味、反応の特定、ウェビナーの効果測定

Zoom Webinar Dashboard

App Catalogを利用すると、様々な切り口でZoomの利用状況が可視化できることがわかります。
取り込み方、使い方も非常に簡単なので是非一度試して欲しいところです。

ただ、ここまででお気付きの方もいらっしゃるかもしれませんが
以下のような情報が取れない、確認がし辛いという懸念点もあったりします。

  • 参加者のIPアドレス、ロケーション
  • チャットの使用状況、履歴
  • ウェビナー登録者の推移
  • ウェビナー登録者、キャンセル者、出席者の詳細

弊社では上記のような情報も可視化できるようにした、オリジナルDashboardも開発しております。
次回はオリジナルDashboardについて触れたいと思います。


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