こんにちは!Y.Tです。
今回はOCIの環境をOKITを利用して可視化する方法をご紹介します。
OKITとはOCI Designer Toolkitの略で、現在の構築環境の情報を取得し可視化することや、インスタンスやストレージなど、アイコンを配置するだけで実際のOCI上へ構築することができるツールです。
OSSのツールであり、Gitで公開されています。
Gitリンク:OCI Designer Toolkit
OKITのインストール後は以下のように、現在配置されているインスタンスやストレージ、割り当てられているポリシーなどのアイコンが描画されます。コンポーネントのアイコンをクリックすると、詳細な設定値なども確認できるようになっています。
ここでは以下の手順でUbuntu16の仮想マシンにOKITをインストールし、現在の構築環境を確認していきます。
APIキーの作成
初めに、OKITをインストールする端末でOpenSSLでRSAの秘密鍵と公開鍵を作成していきます。
/.ociフォルダを作成し、秘密鍵、公開鍵を作成していきます。
$mkdir <ホームディレクトリ>/.oci
$openssl genrsa -out <ホームディレクトリ>/.oci/oci_api_key.pem 2048
$openssl rsa -pubout -in <ホームディレクトリ>/.oci/oci_api_key.pem -out \
<ホームディレクトリ>/.oci/oci_api_key_public.pem
ユーザへのAPIキーの追加
次に作成した公開鍵である「oci_api_key_public.pem」をociのWebコンソールからユーザのAPIキーに追加します。
Webコンソールの「アイデンティティ」 > 「ユーザー」からAPIの実行権限がある、OKITで利用するユーザを選択し、「APIキー」 > 「APIキーの追加」をクリックします。「公開キー・ファイルの選択」をクリックし、1.APIキーの作成で作成した「oci_api_key_public.pem」を追加します。
「追加」をクリックすると、「構成ファイルのプレビュー」にOKITをインストールする端末に登録するファイルの内容が表示されるため、コピーします。
設定ファイルの追加
OKITをインストールする端末に設定ファイルを作成し、2.ユーザへのAPIキーを追加でコピーした内容を貼り付けます。
$sudo vi <ホームディレクトリ>/.oci/config
[DEFAULT]
user=(略)
fingerprint=(略)
tenancy=(略)
region=(略)
key_file=~/.oci/oci_api_key.pem
Dockerのインストール
OKITをインストールする端末にDockerを構築します。私の環境ではあらかじめインストールされていたsnapdを利用し、Dockerをインストールします。
$sudo snap install docker
※インストールされていない場合は以下のコマンドでインストールすることができます
$sudo apt -y install snapd
次に、Dockerグループを作成し、ユーザのプライマリグループをDockerグループにします。
$sudo groupadd docker
$sudo usermod -g docker <ユーザ名>
snapdとはパッケージ管理システムのSnappy内のパッケージを利用するためのツールです。
Snappyは他のパッケージに依存せず、1つのパッケージの中にすべて必要なパッケージが入っており、 様々なLinuxディストリビューションで利用することができます。
OKITのインストール
OKITはDocker Compose、Docker、Vagrantで提供されています。今回はDockerを利用して構築していきます。
初めに任意の場所にGitからOKITの構築に必要なファイルをインストールします。
$git clone --depth 1 https://github.com/oracle/oci-designer-toolkit.git
oci-designer-toolkitというフォルダが作成されているため、移動し、OKITのコンテナを構築します。
$cd oci-designer-toolkit
Dockerコンテナをビルドし、開始します。
$sudo docker build --tag okit --file ./containers/docker/Dockerfile --force-rm .
$sudo docker run -d --rm -p 443:443 -p 80:80 \
--name okit \
--hostname okit \
--volume ~/okit/user/templates:/okit/templates \
okit
これで、OKITの利用ができるようになりました。
OKITでOCI上の構成確認
Dockerで開始したOKITには以下のURLでアクセスできるようになっています。
http://<OKITをインストールした端末のIPアドレス>/okit/designer
対応ブラウザ:
- Google Chrome、Firefox、Brave、Chromiumベースのブラウザ
※IEは対応しておらず、Safariは一部対応しておりません
OKIT上のメニューから「Query」を選択します。以下のように設定し、「Query」をクリックします。
- Connection Profile:DEFAULT
- Region(s):※OCIのリージョンを選択
- Compartment:※確認したい今パートメントを選択
すると、以下のように構成が確認できます。
可視化された構成図は画像として出力することもでき、OKIT上のメニューの「Export」 > 「Image」から、svg、png、jpeg形式でダウンロードすることができます。また、作成した構成図からコストを試算することも可能です。
また、ポリシーやインスタンス、オブジェクトストレージなどが複数ある場合、コンポーネントの上にマウスカーソルを合わせると、紐づいているコンポーネントが色付けされるようになっています。
例えば以下のように、あるインスタンスへマウスカーソルを合わせると、紐づけられているポリシーが緑色に色づいて表示されます。
まとめ
今回はOCI上の環境の可視化を実施していきましたが、新規にアイコンをドラッグ&ドロップして描画した構成を、OKITから直接OCIのリソースマネージャを利用し、OCI上へデプロイすることも可能です。
次回の記事ではOKITを利用し、OCI上へ新規にインスタンスを追加する方法についてご紹介したいと思います!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。🙇
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