こんにちは。テリロジーのZです。
最近寒くなってきましたね。
引き続き在宅勤務体制が続いていますが、家にいたって換気って大事だよねということで、窓を開けつつブランケット被りつつ仕事している今日この頃です。
この寒い時になぜ換気が大事かという話ですが、簡単に言うと、
- コロナウィルス感染症対策に役立つから
- 体調管理に役立つから
です。
先日の記事にもありましたが、最近政府の「新型コロナ 政府分科会」が出した「緊急提言」の中でも、感染症対策として「室内の換気の状況を把握するために二酸化炭素濃度の計測」をしようという話があったようです。
https://cloudsolution.terilogy.com/
コロナウィルスが未だ猛威をふるっており、冬に向けて感染が拡大する可能性があるという話なので、感染症対策、「密の回避」は引き続き重要ですね。
そこで今回は、先日の記事でも紹介していただいた現在開発中の二酸化炭素濃度(CO2)の測定による密検知サービスについて、もう少し詳しくご紹介したいと思います。
記事の構成は、次のとおりです。
経緯
主な経緯は次の通りです。
- コロナウィルス感染症対策としてCO2濃度の計測が有効ではという話があった
- 密検知・密回避する仕組みを必要とするお客様がいた
- IoTを活用した開発がしたかった
今回は、1を中心に話を進めます。
先日の記事にもありましたが、コロナウィルスの感染が広がる中で、海外の学校・飲食店などなどでCO2濃度を計測し、定期的に換気をすることにより、感染対策を行っているという話を聞き、自分達でもやってみようという話になりました。
このような仕組みについては、個人で試している方も多くいらっしゃるようですが、ここでは割愛させていただきます。
なぜCO2濃度の計測が感染症対策に繋がるかというと、
空気中のCO2濃度が高い
↓
人が多く集まっている可能性がある
↓
密状態が発生している可能性がある
↓
感染リスクが高まっている可能性がある
と考えられるからです。コロナの感染経路は主に「飛沫感染」「接触感染」「空気感染」だと言われていますが、この中で、「空気感染」(エアロゾル感染と表記している方もいらっしゃいます)の対策の1つとして考えられるのがこのCO2濃度の計測になります。
CO2濃度の計測によって直接「換気」と「密回避」ができるわけではないですが、計測をすることによって、密状態が推測できるので、現状把握と注意喚起ができるわけです。
なので、CO2濃度が一定数値以上であったら、そのことをきっかけとして「換気」と「密回避」を行えばいいので、人が集まるオフィスの他にも、教育機関、医療機関、サテライトオフィスなどでも活用できる便利な仕組みではないかと思います。
また、CO2濃度の計測ですが、「感染症対策」だけではなく、「働き方改革」にも役立つのではないかと考えているところです。CO2濃度が高まることにより、「集中力の低下」「眠気が高まる」「体がだるくなる」などいろいろな影響がでるようです。
ということは、換気することがこれらの症状に対しても効果的ということになります。なので、CO2濃度の計測は、コロナウィルスの感染症対策として話が上がる前からも注目されていたようですが、コロナウィルスの心配がなくなった後でも有効活用できそうです。
開発物に関して
開発しているのは、次の機能を持ったサービスです。
- CO2濃度の計測
- CO2濃度の可視化
- CO2濃度が高い場合にアラート発報
1はセンサーを搭載した小型サーバで行い、2-3はSaaS型のダッシュボードで行います。
センサー搭載のサーバは、CO2濃度の計測を行いたい場所にそれぞれ配置していただいて、SaaS型ダッシュボードでまとめて可視化します。
小型サーバには設置場所・個体名などの識別子を設定することにより、複数のセンサーを導入した場合にも、いつ・どこに設置したセンサーで高い数値が計測されたか、つまり、いつ・どこで密が発生してそうか、換気が必要かを特定できるようにします。
開発に使用したのは、以下の4つです。
- CO2センサー (MH-Z19)
- LEDパネル (Unicorn pHAT)
- 小型サーバ (Raspberry Pi Zero WH)
- 監視ツール (Sumo Logic)
これらのコンポーネントはプロトタイピング中に使用しているものですが、今後サービス化の際には変わるかもしれません。現在検討中です。
大まかな動作は次のようになります。
・小型サーバに、CO2センサー+LEDパネルを接続したものを、CO2濃度を計測したい場所に設置。
↓
・小型サーバは定期的にCO2センサーが取得したCO2濃度の値をクラウド上の監視ツールに送信
↓
・CO2濃度に応じて、小型サーバに接続したLEDパネルは点灯する色を変化させる
↓
・監視ツールは小型サーバから取得した小型サーバの識別子とCO2濃度を可視化
↓
・CO2濃度が一定数を超過している場合は密状態と推測し、可視化ツールよりユーザにアラートで通知
こちらは、点灯中のLEDパネルです。
LEDパネルは、サービスとしてリリースする時に使用するのかしないのかまだ検討中なのですが、CO2濃度に応じて、青・緑・黄・赤の4色に点灯させています。各色の意味は次の通りです。
・良好 : 青
・普通 : 緑
・注意 : 黄
・警戒 : 赤
写真は、昼間換気のよい部屋で計測中に撮ったので青になっていますが、自宅でしばらく使っていた時には、睡眠中に急激に数値が高まり赤く光っていました。就寝中にCO2濃度が高い場合、睡眠の質が下がる、寝起きもすっきりしないという話があるようなので、最近は就寝時に換気扇を回そうかと思っています。
構成は次の通りです。今は、プロトタイピングの段階ですが、可視化ツールとして、Sumo Logicを使用しています。
他のデバイス情報をSumo Logicで管理している/する予定がない場合には、より価格が手頃なソリューションの方がいいかもしれないということで、可視化ツールにはOracle Cloudの使用を考えています。具体的には、Oracle Cloud Analytics Cloud / Oracle APEX のいずれかです。クラウド初学者なので、どう活用するか/活用できるのか調べながら触り始めたところです。
こちらは、先日部内で今後どのようなサービスを開発しようかというアイディアを共有しあうためにLT大会が開催されたのですが、その際に使用した資料の抜粋になります。
密ちゃん(CO2モニタリング) from 株式会社テリロジー コンサルティング&ソリューション技術統括部
まとめ
技術統括部では、コロナウィルスの感染症対策と、働き方改革に活用できるCO2濃度を監視・可視化し、アラートも通知するサービスを開発中です。
CO2濃度を計測するのはセンサー搭載した小型サーバであり、監視用のダッシュボードはSaaSになります。提供するのは、SaaSとセンサー搭載サーバのセットとなり、CO2濃度を計測したい場所の数だけセンサー搭載サーバを用意し、ダッシュボードでまとめて可視化します。導入が容易な仕組みを目指しています。
こちらの仕組みは現在プロトタイピング中ですが、サービス化を進めており、2020 Q4 (といってももうすぐですが) 、もしくは2021 Q1には第一弾リリースしたいと考えているところです。
最後に
今後アップデートがあれば、ブログで更新したいと思います。ご興味ある方がいらっしゃいましたら、ぜひ本ブログの「ご連絡」からお問い合わせください。
今回はCO2濃度検知の仕組みの開発についてでしたが、小型サーバとセンサーを活用したIoTの仕組みは作ってしまえば後はセンサーを入れ替えて様々な用途で活用できて面白いと思うので、他にどのようなものが作りたいか、どのようなデータを活用したいか、どのような需要があるのか、考えながら色々と試してみたいと思います。
長くなってしまいましたが、お読みいただきありがとうございました。