なぜエクスポージャ検証に「スピード」が求められるのか?

 2026.02.17  M.U.

はじめに

サイバーセキュリティの世界において「スピード」の重要性は以前から認識されてきましたが、今日ほどそれが切実に求められている時代はありません。

クラウドファースト戦略、サードパーティとの連携拡大、リモートワークの定着により、あらゆる企業のデジタルフットプリントは急速に拡大しています。それに伴い、インターネットに公開される資産も爆発的に増加し、その多くがセキュリティチームの可視性や管理の及ばない領域に存在しています。

攻撃者は絶えず変化し続ける広大な攻撃対象領域を24時間365日スキャンし、探索し、悪用しています。脆弱性の公開から実際の悪用までの時間差は、今や「時間単位」で測られるようになりました。AIと自動化の台頭により、攻撃者はかつてないスピードと効率で活動しています。

問いかけはシンプルです。皆さまのチームは、攻撃者よりも速く動けるでしょうか?

課題:インターネット公開資産とAI武装した攻撃者

今日の脅威の核心にあるリスクは、「外部エクスポージャ(外部への露出)」です。インターネット接続さえあれば誰でもアクセスできる公開システムやサービス——クラウドワークロード、Webアプリケーション、ログインポータル、公開されたAPI、忘れ去られたサブドメイン、設定ミスのあるストレージバケットなどがこれにあたります。

これらは組織への「正面玄関」であり、見えていなければ守ることはできません。

残念ながら、多くのセキュリティチームは全体像を把握できていないのが実情です。調査によると、企業が認識している外部攻撃対象領域は実際のわずか約62%にすぎません。つまり3分の1以上の公開システムが監視も保護もされないまま放置されており、防御側が対応する前に攻撃者が未知の脆弱性を悪用する絶好の機会を生んでいるのです。

さらに状況を悪化させているのは、攻撃者がもはや孤立して活動しているわけではないという事実です。彼らは生成AI、大規模な自動化ツール、そして共同コミュニティを駆使して、脆弱性を迅速にスキャンし、発見し、武器化しています。数年前なら開発に数日から数週間かかったエクスプロイトが、今では数時間で構築・テスト・展開されるようになりました。

私たちが直面しているのは、単にエクスポージャの増加だけではありません。より速く、より賢い攻撃者との対峙なのです。

現代のエクスポージャ課題を構成する4つの要因

今日の企業の攻撃対象領域は、セキュリティチームが追いつけないスピードで拡大しています。デジタルトランスフォーメーション、クラウド移行、AI主導の開発が、リスクの規模・速度・動態を根本から変えました。かつては管理可能だったセキュリティ課題が、絶え間ない変化、圧倒的な量、そして縮小する対応時間によって再定義されています。この課題は、4つの複雑性の柱を通じて理解できます。

資産規模の爆発的拡大 — 企業は今や、クラウド、SaaS、API、サードパーティにまたがる数千から数万の資産と依存関係を運用しています。AI主導の開発がこの増加をさらに加速させ、攻撃対象領域を飛躍的に拡大しています。

インフラの絶え間ない変化 — デプロイ、設定変更、アーキテクチャの刷新により、現代の環境は毎月約5%が変化しています。自動化とAIがさらに高い変化率をもたらし、静的なセキュリティ評価を陳腐化させています。

脆弱性の大量発生 — 2024年だけで約40,000件のCVEが公開されました。AIを活用した脆弱性発見により既知の脆弱性の数は増加の一途をたどり、セキュリティチームに深刻な優先順位付けと修復の課題を突きつけています。

悪用までの時間の急速な短縮 — 脆弱性の公開から悪用までの時間は、数週間から数日へと劇的に縮まりました。攻撃者はAIを使ってさらに速く行動しており、防御側に検知や対応の遅れを許す余地はほとんど残されていません。

従来の脆弱性管理が抱える問題

理論上、脆弱性管理はリスクの低減に貢献するはずです。しかし実際には、混乱と疲弊を生み出しているケースが少なくありません。セキュリティチームは大量のアラートに埋もれ、その多くは意味のあるコンテキストを含んでおらず、実際はCVSSスコアのみに基づく理論的なリスク評価であり、本当の悪用可能性を反映していないのです。

この結果、3つの根本的な問題が生じます。まず「アラート疲れ」です。アラートが多すぎて、調査に割ける時間が圧倒的に不足します。次に「リソースの浪費」です。実際には悪用されない脆弱性の対応にチームの時間と労力が費やされます。そして最も深刻なのが「盲点」の存在です。本当にリスクの高い脅威がノイズに埋もれて見過ごされてしまいます。

このモデルはもはや持続可能ではありません。組織に必要なのは、より多くのデータではなく「明確さ」です。少数の重要なエクスポージャをノイズから識別する方法、そしてそれを「速く」行う能力が求められています。

解決策:エクスポージャ検証によるスピードと精度の実現

今日の脅威に先んじるためには、アプローチそのものを進化させる必要があります。可視性だけでは不十分です。脅威インテリジェンスだけでも、CVEスキャンだけでも足りません。必要なのは「リアルタイムのエクスプロイト対応型エクスポージャ検証」——インターネットに面した脆弱性が実際に悪用可能かどうかを確認し、即座に優先順位を付ける仕組みです。

ここでIONIXが他のソリューションと一線を画します。IONIXは、検出から解決までをスピード・精度・確信をもって推進する、垂直統合型・多層的なエクスポージャ検証プラットフォームを提供します。その仕組みを6つのステップでご紹介します。

① 継続的な攻撃対象領域マッピング — IONIXは、DNS解析、証明書マッピング、メタデータ検査などの複合的な検出手法を用いて、環境全体のすべてのインターネット公開資産を自動マッピングします。クラウドインスタンス、サードパーティプラットフォーム、シャドーIT、さらには従来のツールでは見逃されがちな放置されたインフラまでカバーします。

② エクスプロイトインテリジェンスの監視 — エージェンティック技術を活用した数十の脅威インテリジェンスフィードを継続的に分析し、概念実証(PoC)コードやエクスプロイトキット、攻撃活動の兆候を検知します。さらにAIを適用し、PoCが公開される前から新たな脆弱性の悪用可能性を事前に評価します。

③ 外部エクスポージャの特定 — すべてのCVEが重要なわけではありません。IONIXは攻撃者目線の問いを適用してフィルタリングします。「インターネットから到達可能か?」「認証は必要か?」「実際に悪用されているか?」これによりノイズを大幅に削減し、実際に武器化され得る脅威にチームを集中させます。

④ 安全でスケーラブルなエクスプロイト生成 — IONIXは、実際のPoCを安全で非侵襲的なテストペイロードに変換し、本番環境でも中断なく実行できるようにします。脆弱なシステムに正確にターゲットを絞ったシミュレーションにより、不要な負荷をかけることなく迅速な検証を実現します。

⑤ 精密なエクスプロイト検証の実行 — ソフトウェアスタック、バージョン情報、エクスポージャ状態、到達可能性といったコンテキストを組み合わせることで、適切なペイロードだけが適切な資産に対して実行されます。効率を最大化し、リスクを最小化する精密な検証です。

⑥ 迅速で実行可能な修復 — 検証結果はチケット管理ツール、SOAR、SIEMとの連携を通じて配信されます。課題は平易な言葉で記述され、修復クラスタとしてまとめられ、資産の重要度・悪用可能性・影響範囲に基づいて優先順位が付けられます。これにより平均修復時間(MTTR)が短縮され、チームが確信を持って行動できるようになります。

まとめ:スピードはもはや選択肢ではない

サイバーセキュリティの攻防は加速し続けています。CVE公開から悪用までの時間は今や数時間単位で測られ、AIと自動化が攻撃側の手段を根本から変えつつあります。

防御側が追いつくためには、同じスピードで動き、さらに賢く考えるツールが必要です。

IONIXを活用すれば、外部エクスポージャという圧倒的な脅威を、管理可能で実行可能なプロセスへと転換できます。何が公開されているかを把握するだけでなく、何が本当に重要かを見極め、リアルタイムで検証し、ニュースの見出しになる前に修復する——それがIONIXの提供する価値です。

最も速い対応こそが、唯一有効な対応である時代が来ています。

 


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