OCVSをデプロイしてみた 後半

 2022.03.10  株式会社テリロジー 技術統括部

みなさま、こんにちは。Tachanです🌸
今回はOCVSデプロイの後半になります!
前半の記事はこちら
OCVSをデプロイしてみた 前半

デプロイ手順

デプロイ手順は6つのステップで進めていきます。
後半では「③VMWare vSphere Client接続」~「⑤各ネットワークへの疎通確認」までを記載しています。

  1. 事前準備 (前半の記事でご紹介)
  2. SDDCの作成
  3. SDDCと各ネットワークを接続
    • ・VCNリソースへの接続
    • ・インターネットへの接続
    • ・Oracle Services network (OSN)への接続
  4. VMware vSphere Client接続
  5. VMware 新規仮想マシン作成
  6. 各ネットワークへの疎通確認
    • ・VCNリソース接続
    • ・インターネットへの接続
    • ・Oracle Services network (OSN)への接続

デプロイ手順③:VMware vSphere Client接続

SDDCの構築が完了したので、vSphere Clientに接続できるかチェックします。

OCVSの各リソースにアクセスされる際は、OCI環境内にWindows Serverなどのコンピュートをご用意いただき、接続いただくことをお勧めいたします。
vCenter、NSXマネージャ、HCXマネージャのURLはFQDNで指定されており、
接続にはOCI内のDNSに対して名前解決が必要となります。

SDDC詳細画面の「vCenter情報」にあるvSphere ClientのIPアドレスに記載されているURLに接続します。

デプロイ手順③:VMware vSphere Client接続 画像1

その後、「VSPHERE CLIENTの起動」をクリックします。

デプロイ手順③:VMware vSphere Client接続 画像2

今回はIPアドレスで接続試したところ、vSphere Client の起動URLで
DNSの名前解決がうまくいかずエラーになってしまいました。
(ちなみに、NSX-TとHCXのログイン画面はIPアドレス指定で接続する場合は、問題なく表示されました。)

デプロイ手順③:VMware vSphere Client接続 画像3

そこで、OCI上にWindowsインスタンスを構築し、
オラクルのDNSを使って接続をしたところ無事解決できました。

vSphere Clientの管理画面にアクセスできない時は、
名前解決ができているか」を確認していただくと解決するかもしれません。

デプロイ手順③:VMware vSphere Client接続 画像4

デプロイ手順③:VMware vSphere Client接続 画像5

デプロイ手順③:VMware vSphere Client接続 画像7

以上でVMware vSphere Clientに接続ができました!

デプロイ手順④:VMware 新規仮想マシン作成

VMware vSphere Clientに接続して、新規仮想マシンを構築してみます。

まず、VMware vSphere Clientに接続し、isoイメージ(今回はCentOS 7)をデータストアに保存します。
[vSanDatastore] > [任意のフォルダ] > [UPLOAD FILES]を選択します。

デプロイ手順④:VMware 新規仮想マシン作成 画像1

デプロイ手順④:VMware 新規仮想マシン作成 画像2

この際、ブラウザ側で証明書が信頼されていないとisoのアップロードに失敗します。

デプロイ手順④:VMware 新規仮想マシン作成 画像3

この場合は、VMware vSphere Clientの起動画面より証明書をダウンロードし、
クライアント端末のブラウザに証明書を登録します。

参考リンク:https://kb.vmware.com/s/article/2147256

デプロイ手順④:VMware 新規仮想マシン作成 画像4

デプロイ手順④:VMware 新規仮想マシン作成 画像5

デプロイ手順④:VMware 新規仮想マシン作成 画像6

isoのアップロード完了後、[ACTIONS] > [Add Host]より新規仮想マシンを作成します。

デプロイ手順④:VMware 新規仮想マシン作成 画像7

・ホスト名の指定

デプロイ手順④:VMware 新規仮想マシン作成 画像8

・ホストへの接続ユーザーの指定

デプロイ手順④:VMware 新規仮想マシン作成 画像9

・コンピューティングリソースの指定

デプロイ手順④:VMware 新規仮想マシン作成 画像10

・ESXiホストの指定

デプロイ手順④:VMware 新規仮想マシン作成 画像11

・作成タイプの指定

デプロイ手順④:VMware 新規仮想マシン作成 画像12

・仮想マシン名、仮想マシン作成場所の指定

デプロイ手順④:VMware 新規仮想マシン作成 画像13

・ストレージの指定

デプロイ手順④:VMware 新規仮想マシン作成 画像14

・ESXiホストのバージョンの指定
   SDDC作成時に指定したバージョン7.0を選択します。

デプロイ手順④:VMware 新規仮想マシン作成 画像15

・ゲストOS(iso)の指定
   先ほどアップロードしたCentOSを選択します。

デプロイ手順④:VMware 新規仮想マシン作成 画像16

・ハードウェアのカスタマイズ
※ネットワークを間違えると通信ができないので注意
新規CD/DVDドライブを「接続」にしないと、起動時にISOイメージが読み込まれず
OSのインストールができないので注意してください

デプロイ手順④:VMware 新規仮想マシン作成 画像17

新規CD/DVDドライブが接続されていない場合、新規仮想マシン作成時に下記のように
OSが見つからないと表示されます。

デプロイ手順④:VMware 新規仮想マシン作成 画像18

設定内容を確認し「FINISH」をクリックすると仮想マシンの作成が始まります。
仮想マシンを起動すると、新規OSインストールに進みます。

デプロイ手順④:VMware 新規仮想マシン作成 画像19

デプロイ手順④:VMware 新規仮想マシン作成 画像20

デプロイ手順④:VMware 新規仮想マシン作成 画像21

仮想マシンのネットワーク設定では、SDDCワークロードのCIDRで指定した範囲からIPアドレスを指定します。
また、ゲートウェイのアドレスについては、NSX-TのGUIからNetwork Topology内の赤枠内に記載されているIPアドレスを指定してください。
以下のように設定しました。

デプロイ手順④:VMware 新規仮想マシン作成 画像22

デプロイ手順④:VMware 新規仮想マシン作成 画像23

デプロイ手順④:VMware 新規仮想マシン作成 画像24

以上で新規仮想マシンの作成が完了です。

デプロイ手順⑤:各ネットワークへの疎通確認

OCVSの仮想マシンからVCN、インターネット、他のOCIサービスに接続できるか確認してみます

・VCNの疎通確認

弊社環境からSec-biz Private SUBNETを経由して仮想マシンにSSH接続できるかを確認しました。

こちらはNSGにSSHルールを追加し、接続できることを確認しました。

・インターネットへの疎通確認

仮想マシンからNATゲートウェイ経由でインターネットに接続することを確認しました。

・通信が上手くいかないときは
最終的には接続確認できましたが、以下の設定について悪戦苦闘し、インターネットに接続できるようになりました。注意すべきポイントをまとめておきます。

ポイント1:仮想マシンのネットワーク選択
「workload」ネットワークを選択すること

ポイント2:ゲートウェイアドレスの設定
→正しいゲートウェイアドレスはNSX-Tのマップで確認可能

ポイント3:アクセス制限の設定
NSGルールが正しいか、OS側のiptablesなども通信許可されているか確認する

ポイント4:DNS設定
再帰的問い合わせが可能なDNSリゾルバを指定する必要があります

「8.8.8.8」などを設定することで名前解決が可能になります

・他のOCIサービスに接続

仮想マシンからOCI CLIを使ってオブジェクトストレージのバケット作成を行いました。
CentOSでOCI CLIを使うためにはインストールが必要です。

■OCI CLIインストール方法
仮想マシンにログインし以下スクリプトを実行します。

bash -c "$(curl -L https://raw.githubusercontent.com/oracle/oci-cli/master/scripts/install/install.sh)"

oci setup config を実行し現在のOCI情報を登録します

デプロイ手順⑤:各ネットワークへの疎通確認 画像1

デプロイ手順⑤:各ネットワークへの疎通確認 画像2

OCI CLIに作成されているPEMキーをIAMに紐づけます。

デプロイ手順⑤:各ネットワークへの疎通確認 画像3

APIキーを登録すると、構成ファイルの情報が表示されますので、
この情報を控えます。

デプロイ手順⑤:各ネットワークへの疎通確認 画像4

OCI CLIに設定されているプロファイルを確認し、
構成ファイルの[DEFALT]が含まれていない場合は追記します。

デプロイ手順⑤:各ネットワークへの疎通確認 画像5

oci-cli-rcを作成し、oci_cli_rcファイルへデフォルト値を追加します。

oci setup oci-cli-rc
cat ~/.oci/oci_cli_rc

デプロイ手順⑤:各ネットワークへの疎通確認 画像6

上記が確認できたら、CLIでバケットの作成をしてみます。

デプロイ手順⑤:各ネットワークへの疎通確認 画像7

デプロイ手順⑤:各ネットワークへの疎通確認 画像8

OCVSの仮想マシンからサービスゲートウェイ経由で
オブジェクトストレージにアクセスすることができました!

以上で他のOCIサービスへの接続が確認できました。
デプロイの手順は以上になります。

おわりに

今回は前半と後半に分けて、OCVSのデプロイ手順と接続確認をご紹介しました。
次回は、「OCVSへの移行」や「他のサービスとの連携」についても記事を書いていきます。

また、弊社では、OCVSを使ったVMWare移行サービスを提供しています。
このサービスでは移行だけではなく、運用業務や監視業務についても支援させていただきます。
お問い合わせは、ブログのお問い合わせフォーム、または弊社コーポレートサイトより承っております。

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 当社のOCI/OCVS関連サービスご紹介ページ:https://www.terilogy.com/oci/index.html

最後までお読みいただきありがとうございました。

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